本記事には広告(PR)を含みます。
「子どもが生まれたときに入った学資保険、いま見返すと返戻率がそれほど高くない気がする」——40〜50代の子育て世帯の方から、こうしたご相談をよくいただきます。教育資金づくりの定番だった学資保険ですが、新NISAが始まり、さらに2027年には未成年向けの「こどもNISA」の開始が予定されるなか、「このまま続けるべきか、やめて別の方法に切り替えるべきか」で迷う方が増えています。
とはいえ、学資保険を勢いで解約してしまうと、払い込んだ保険料を下回る「元本割れ」になったり、契約者に万一のことがあったときの保障(払込免除)を失ったりと、後悔につながるケースも少なくありません。「返戻率が低い=すぐ解約」という単純な話ではないのです。
この記事では、製薬企業のMRを経てCFP®・IFAとして独立した筆者(あきFP)が、学資保険を「やめる・続ける」を判断するための具体的なチェック項目と、新NISA・こどもNISAを使った教育資金づくりの代替案を、断定を避けつつ整理します。ご自身のご家庭に当てはめながら読み進めてみてください。
結論:まず「保障」と「解約返戻金」を確認してから、代替の可否を判断する
先に結論をお伝えします。学資保険をやめるかどうかは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- ①いま解約すると解約返戻金はいくらか(元本割れの有無)を保険会社に確認する
- ②契約者(親)の死亡・高度障害時の「保険料払込免除」という保障を、他で代替できるか考える
- ③浮いた資金を新NISA(つみたて投資枠)などで運用する場合、価格変動リスクを受け入れられるか整理する
ざっくりした傾向としては、契約から年数が浅く解約返戻金が払込額を大きく下回る場合や、保障(払込免除)を重視する場合は「続ける」方向に、返戻率が低く保障は別途確保できていて価格変動を受け入れられる場合は「一部見直し・新規はNISAへ」という方向に傾きやすい、という整理になります。以下で根拠を見ていきましょう。
学資保険の「本当の価値」は返戻率だけではない
学資保険を単なる貯蓄商品として返戻率だけで評価すると、物足りなく感じるかもしれません。2026年時点の学資保険の返戻率は、商品や払い方によって幅がありますが、おおむね100〜105%程度が一般的な水準で、貯蓄性を重視した設計では120%前後になる商品もあります。かつての「予定利率が高かった時代」に比べれば控えめですが、市場金利の上昇を背景に、2025年には予定利率を引き上げる保険会社も出てきており、返戻水準はやや改善傾向にあります。
学資保険の価値は、返戻率だけでなく「契約者(親)に万一のことがあれば以後の保険料の払い込みが免除され、それでも満期金・祝い金は受け取れる」という保障機能にあります。さらに、保険料は一般生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税の軽減にもつながります。「死亡保障+強制的な積み立て+税制優遇」を一つにまとめたパッケージだと捉えると、評価の仕方が変わってきます。
特に2026年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる世帯について、新契約の一般生命保険料控除の適用限度額が4万円から6万円へ引き上げられる措置が設けられています(合計の上限12万円は据え置き)。これは現時点では2026年分に限った時限的な措置とされており、子育て世帯にとっては学資保険や生命保険の控除メリットが一時的に大きくなる点も、判断材料になります。控除の詳細は国税庁「生命保険料控除」のページをご確認ください。
代替の主役は新NISA、そして2027年開始予定の「こどもNISA」
教育資金づくりの代替として、まず候補になるのが新NISAです。2024年に始まった新NISAは、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円で合計年360万円、生涯投資枠は1,800万円、運用益は無期限で非課税です。親名義の新NISAで長期・分散・積立を続け、必要な時期に取り崩して学費に充てる、という使い方が現実的です。制度の詳細は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できます。
そして、子ども名義の制度として注目されているのが「こどもNISA」です。政府・与党は2026年度の税制改正で、つみたて投資枠を18歳未満にも解禁する方針を示しており、報道等によれば年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円、2027年1月の開始が予定されています。かつての「ジュニアNISA」が原則18歳まで引き出せず利用が低迷した反省を踏まえ、こどもNISAでは12歳以降は子ども本人の同意などを条件に教育費等での引き出しが可能になる見込みです。ただし本稿執筆時点(2026年7月)ではあくまで予定・方針の段階であり、最終的な制度内容は今後の法令等で確定します。最新情報は必ず公式発表でご確認ください。
なお、ジュニアNISAは2023年末で新規購入が終了しています。すでにジュニアNISAで保有している分は、お子さまが18歳になるまで非課税で保有を続けられ、2024年以降は年齢による払い出し制限なくいつでも引き出せる扱いになっています。「終わった制度だから」と慌てて売却する必要は必ずしもない、という点は押さえておきたいところです。
図表で比較:学資保険・新NISA・こどもNISA
それぞれの特徴を並べると、性格の違いがはっきりします。「元本の安定」を取るか「増える可能性」を取るか、そして「流動性」と「保障」をどう考えるかが分かれ道です。
| 項目 | 学資保険 | 新NISA(親名義・つみたて) | こどもNISA(2027年開始予定) |
|---|---|---|---|
| 元本の安定性 | 満期まで継続すれば契約通り(中途解約は元本割れの可能性) | なし(価格変動で増減) | なし(価格変動で増減) |
| 期待できるリターン | 返戻率おおむね100〜120%程度(固定的) | 市場運用に連動(成果は非保証) | 市場運用に連動(成果は非保証) |
| 流動性(引き出しやすさ) | 中途解約は元本割れリスク | いつでも売却・引き出し可 | 12歳まで引出不可/以降は同意等を条件に教育費等で可(予定) |
| 契約者(親)の保障 | あり(払込免除特約) | なし | なし |
| 税制メリット | 一般生命保険料控除 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 |
| 非課税・投資枠の目安 | — | 年360万円/生涯1,800万円 | 年60万円/総額600万円(予定) |
「やめる」判断の前に確認したい5項目
解約や払済への変更を検討する前に、次の5点を必ず確認してください。ここを飛ばすと「解約して損をした」という後悔につながりやすい部分です。
- 現時点の解約返戻金:いま解約するといくら戻るか。払込総額と比べて元本割れの度合いを確認します。
- 払込免除の保障:契約者に万一があった場合の保障を、既存の生命保険などで代替できているか。
- 払済保険への変更:解約せず「払済」にして保障を一部残す選択肢があるか(以後の保険料を止めつつ契約を継続)。
- 家計のリスク許容度:教育費という「使う時期が決まっているお金」を、価格変動のある運用に回して受け止められるか。
- 使う時期までの年数:進学まで残り数年しかない場合、値下がりからの回復を待つ時間が取りにくい点。
特に④と⑤は重要です。大学入学のように「支払う時期」が決まっている資金は、その直前に相場が下落すると取り崩しづらくなります。進学が近いお子さまの分は安定性を優先し、まだ年数に余裕がある下のお子さまの分は新NISA等での運用を厚めにする、といった「時間軸での使い分け」が実務的な落としどころになりやすいです。
あきFPの一次見解:CFP・IFA・元MRの3つの視点から
CFP(ファイナンシャル・プランナー)の視点:教育資金は「取り崩す時期が固定されているお金」です。老後資金より時間分散が効きにくいため、全額を運用に振り替えるより、「安定枠(学資保険・預金)」と「成長枠(新NISA)」に分けて考えることをおすすめします。返戻率の数字だけでなく、保障と流動性まで含めた総合評価が欠かせません。
IFA(金融商品仲介業者)の視点:新NISAやこどもNISAは非課税メリットが大きい一方、元本保証がありません。実際のご相談では、「進学まで5年以上ある分は親名義の新NISAでインデックス投信を積み立て、3年以内に使う分は無理に運用へ移さない」という切り分けをご提案することが多いです。こどもNISAはまだ制度が固まっていないため、現時点では新NISA(親名義)を主軸に据えるのが堅実だと考えます。
元MR(製薬企業)の視点:MR時代、医療現場では「今の症状」だけでなく既往歴や生活背景まで診てから治療方針が決まる場面を数多く見てきました。学資保険の見直しも同じで、「返戻率が低い」という一点だけで判断するのは、症状だけを見て薬を変えるようなものです。ご家庭の保障の全体像、家計、進学予定までを踏まえて、続ける・払済にする・新規はNISAへ、と役割分担を設計するのが安全だと感じています。
教育資金の見直しは、保険全体の点検とセットで
学資保険をどうするかは、実は「わが家に必要な保障はいくらか」という保険全体の設計と切り離せません。契約者に万一があったときに必要なのは、学費だけでなく生活費も含めた総額です。学資保険の払込免除だけに頼らず、収入保障保険や定期保険まで含めて過不足を点検すると、判断がぶれにくくなります。加入している保険の全体像に不安がある場合は、特定の商品を売らない立場のFPや、複数社を扱う無料相談を活用して、第三者の目で棚卸ししてもらうのも一つの方法です。
教育資金と保険の見直しを、まとめて専門家に相談したい方へ。複数の保険会社の商品を比較しながら、学資保険の継続・払済・解約の可否や、新NISAとの役割分担まで整理したい場合は、無料の保険相談サービスを使うと効率的です。中立的な視点で家計全体を見てもらうことで、「解約して損をした」という失敗を避けやすくなります。(以下のご案内は広告/PRを含みます。相談は無料ですが、最終的な判断はご自身で行ってください。)
よくある質問(FAQ)
Q1. 返戻率が低いなら、学資保険はやめて全額を新NISAに回すべきですか?
一概には言えません。進学が近い資金は価格変動の影響を受けやすいため、使う時期までの年数や、契約者の保障の有無を踏まえて、安定枠と成長枠に分けるのが無難です。
Q2. 学資保険を途中でやめると必ず損をしますか?
契約からの年数や商品によります。加入して間もない時期の解約は元本割れになりやすい一方、満期に近いほど返戻率は上がる傾向があります。まずは保険会社に現在の解約返戻金を確認しましょう。
Q3. こどもNISAはいつから始まりますか?
報道や税制改正の方針によれば2027年1月の開始が予定されています。ただし本稿執筆時点(2026年7月)では制度が最終確定していないため、金融庁など公式の発表で最新情報をご確認ください。
Q4. すでに持っているジュニアNISAはどうすればよいですか?
2023年末で新規購入は終了していますが、保有分はお子さまが18歳になるまで非課税で持ち続けられ、2024年以降は年齢制限なく引き出せます。慌てて売却する必要は必ずしもありません。
Q5. 解約せずに保険料の負担だけ減らす方法はありますか?
「払済保険」への変更で、以後の保険料の払い込みを止めつつ契約を継続できる場合があります。保障や返戻金の条件が変わるため、変更前に保険会社へ必ず条件を確認してください。
関連記事
- 40-50代が見直すべき保険完全ガイド|FPが本音で薦める7商品
- 新NISA完全ガイド 2026年版|40-50代が押さえるべき全制度と銘柄選び
- 終身保険 vs 定期保険|50代はどちらを選ぶべきかFPが結論
- 医療保険 50代 本当に必要?高額療養費との損益分岐をFPが解説
著者プロフィール
あきFP|製薬企業MR(医薬情報担当者)として7年間、臨床現場と関わったのち、CFP®認定者・IFA(金融商品仲介業者)として独立。40代から80代までのお客様(特に定年前後の方)を中心に、資産運用・保険・住宅ローン・相続まで含めたライフプラン全体の設計に携わっています。「特定の商品を売るためではなく、家計全体の最適化のために」を信条に、断定を避けた中立的な情報発信を心がけています。
あきFPのKindle著書のご案内
本記事のテーマに関連する、あきFPのKindle著書をご紹介します。Kindle Unlimited会員の方は無料でお読みいただけます。
📚『AI時代の子どものお金教育』
新NISAやこどもNISAなど制度が変わりゆく時代に、子どもへどうお金と投資を伝えるかを、CFP・IFAの視点でまとめた一冊。教育資金づくりと金融教育を同時に考えたい親世代に向けた内容です。
👉 Amazonで詳細を見る
※本リンクはAmazonアソシエイト・プログラムによる広告(PR)を含みます。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・保険商品の売買や解約を推奨するものではありません。制度の内容(特にこどもNISA等の予定・方針段階の情報)は今後変更される可能性があります。税制・保険・投資の判断にあたっては、必ず最新の公式情報をご確認いただくとともに、必要に応じて税理士・保険会社・金融機関等の専門家にご相談ください。筆者は投資結果について一切の責任を負いません。


コメント